山小屋ではたらく暮らし

こんにちは!さなえです。

平成最後の夏といわれる今年の夏。実は、はじめてのことに挑戦してました。

 

北アルプスの山小屋(富山県・太郎平小屋)で3週間ほど働いてました。

時期はちょうどハイシーズンの、7/30〜8/19にかけてです。

高い山への登山経験はゼロなのに、

山小屋にひとりで働きにいくことを決めました。

今日は、山小屋で働いたことの記録です。

もくじ

山小屋で働きたいと思った理由

岡山で暮らしていると、身近に高い山がないので山小屋ではたらくっていう発想なんてまずないです。

「なんで行こうとおもったの?」って聞かれました。

 

きっかけは、

信頼している友人が山小屋での暮らしがおもしろいって教えてくれたこと。

知らない世界すぎて、「体験してみたい」と思ったこと。

ゲストハウス(場づくり)に活かすことがあるかもしれない、と思ったこと。

 

理由はいろいろあるけれど、

1番の理由は

ワクワクして行きたいって思ったから。

「いま、このタイミングを逃したらもうこの一生で行けることはないかもしれない」っていう、そのくらいのワクワクした感覚でした。

 

なかなかそんな感覚に出会えることってないはずなので、
この感覚を信じるようにしています。

直感に気づいて、タイミングがあれば、できるだけ逃したくない。

自分で選択し行動を繰り返すようになって、そう思うことが格段に増えました。

「ひとりで山小屋で働く」と決めたことへのワクワクと不安

お世話になった山小屋、北アルプスの玄関口『太郎平小屋』

 

行くことは即決したので、それからほとんど下調べをすることなく時間が過ぎていきました。

働きにいく直前に知ったことは、「まずはひとりで標高2,300メートルを超える山小屋まで登らなければいけない」ということ。

 

基本的に楽観的でなんとかなるだろうと思っているわたしですが、

ひとりというのは、ワクワクと不安の天秤の振れ幅が大きいもの。

ワクワクも100なら、不安も100まですぐに傾きますね。笑

 

ようやく下調べをすることに。(出発2日前…)

 

登山届けはいるの?(←高い山を縦走する登山では必要らしいと知って、そんなレベルの山なんだと焦りました)

雨でも登れるの?(←登山日に台風が接近している予報でした)

ひとりでも道に迷わないの?(←地図がよめません)

携帯の電波は届くの?(←ネットで調べればいいとおもってたけどそもそも電波が届くのかすら知りませんでした)

とか。

 

わからないことだらけで出発の直前に慌てて友人や小屋のオーナーに連絡をとる始末。笑

山小屋へ働きに行くことを決めてはいたけれど、行く前の準備やら不安やらで心が折れそうに。。

 

 

結果的に、山小屋のことを調べ過ぎないで行くことを決めてしまうのがよかったとおもいます。

はじめてみれば、あとは進んでいけますね。

道に迷うこともなく、晴天のなか、4時間かけて登りました。

慣れない山小屋での暮らし

朝4時からはたらく、山小屋での慣れない生活。

 

ちょうどハイシーズン(7/30〜8/19)だったので、

休憩時間はほとんどなく、15時間くらい働いてた日も。

早番は朝の4時から朝食の準備。この日はわたし遅番だったので小屋の外から撮りました

 

野菜や飲み物、お客さんやスタッフの生活に必要な物資はヘリコプターで運ばれてきます。

この日は9往復してくれました。そのあとの搬入もこれまた大変。笑

 

3週間〜1ヶ月くらいに一度の物資の搬入なので、それまで野菜を保存する方法を考えます。

ひとつひとつ新聞紙で包んだり、風を通しよくしたり。

大きい山小屋で、一番多いときで200名を超えるお客さんが宿泊します。

朝ごはん・夜ごはんの準備と仕込み、弁当、お昼の食堂営業。

 

ベッドメイキングと小屋の掃除も毎日やります。

 

電気もすごく貴重なので、使用できる時間は限られています。21時には完全消灯。

 

文字だけ見ると、とても大変!と思ってしまうけれど、、、

 

実際、大変でした。笑

 

わたし割と平気で淡々とやってしまう方なんだけれど、それでも最初の1週間はしんどかった。

 

睡眠も浅くて肉体労働が続くこと。肌荒れもピークに!

 

それでも、本当に山小屋に行けて、働けてよかったと思っています!!!

 

山小屋で働けて暮らせて、本当によかった

 

正直、行かないと、わからなかったことばかりでした。

仲間と一緒に仕事をしてはたらくことの喜び。

身体は使えば使うほどに、よく動くようにもなること。

1日24時間の感覚が変化してしまうこと。

山、自然のかっこよさ。偉大さ。

人間のちっぽけさ。あったかさ。

山小屋の歴史。

山小屋に携わる人たちの関係や繋がり。

維持するひとたち、暮らすひとたちの苦労。

小屋にある材料を使って、手作りケーキでお誕生日のお祝いもしちゃう!

時間があるときにはおやつも作ってくれました。

おやつの手作りおまんじゅう!
休憩時間のウクレレとうた。音楽も日常のなかにありました。好きな風景

 

おちゃめな女子部屋の入り口。部屋のなかとのギャップ。笑

 

忙しいけれど、厨房はいつも笑顔が絶えませんでした。
みんなの個性がとっても素敵。

だから乗り切れたんだとおもう。

 

 

働くメンバーは、順番に来て、順番に下山していきます。

お見送りが、とてもさみしい。。。

 

この日下山するメンバーに厨房長のんちゃんからの愛情まかない!

 

こんなに毎日が充実していて、長くてもあっという間で、

仲間と一生懸命になって一緒に働くのって、

すごく幸せ。

 

 

ここでの出会いからどんな展開になるかわからないもんね。

愉快であったかくて、強くてかっこいい山小屋メンバーに出会えて幸せです。

まとめ

あまりに普段と違う暮らしで、毎日が刺激的でした。
 
どこかだけをピックアップするというよりも、今回は山小屋で働いたことの全体を記録してみることにしましたが、
 
でもあえて、コンパクトにまとめるならこんな感じ。
::: ワクワクしたらなにはともあれやってみる!
(下調べしすぎない)
 
::: 暮らし方がたくさんあることを知り、共通するものを探す
 
::: 身体はめいっぱい使ってみる!負荷をかけると能力あがる
(心には負荷はかけない)
::: 圧倒的な自然のなかで暮らすことで人間も自然の一部って気付かされる

 

これらがわたしのなかでの次へのヒントになりそうです。

 

あ、でも一番の気づきは、『山のかっこよさ』かも!

 

無事に岡山に帰ってこれて、大切な家族にも会えました!

ありがとう。

 

ながーい山小屋記録にお付き合いいただき、ありがとうございました!